高齢者向け見守りサービスの種類と特徴をご紹介
近年、高齢者の安全と安心を確保するための見守りサービスの需要が高まっています。
特に、一人暮らしの高齢者や、核家族化が進む現代において、遠隔地に住む高齢の親を持つ家族にとって、効果的な見守り手段の確立は喫緊の課題です。
その課題に対応するために、様々な高齢者向け見守りサービスが提供されています。
本記事では、日本国内で提供されている高齢者向け見守りサービスの種類と特徴をご紹介します。
高齢者向け見守りサービスの種類
主に以下の種類に分類することができます。
訪問型見守りサービス

訪問型見守りサービスは、専門のスタッフが定期的に高齢者の自宅を訪問し、安否確認や生活状況の把握を行うものです。
訪問時には、健康状態や食事の摂取状況などが確認され、その結果が家族に報告されます。
訪問型サービスの最大のメリットは、スタッフとの直接的なコミュニケーションを通じて、高齢者の孤独感を軽減できる点です。
さらに、対面のコミュニケーションをすることで認知症予防にも効果があります。
訪問型サービスでは、地域の情報提供や防犯に関する注意喚起なども行われることがあり、包括的な見守りが期待できます。
訪問型見守りサービスのデメリットとしては、訪問の頻度が月に数回しかなく、緊急時の対応には適していない点が挙げられます。
また、訪問日時が固定されているため、利用者はその時間に在宅している必要があります。
訪問型見守りサービスの一つに、郵便局の見守りサービスが挙げられます。
こちらは訪問回数が月に1度で、月額2,500円(税込・2025年3月24日時点)となっています
https://www.post.japanpost.jp/life/mimamori/
通報型見守りサービス

通報型見守りサービスは、高齢者が緊急時に自ら通報ボタンを押すことで、警備会社や家族に助けを求めることができるシステムです。このタイプのサービスは、主にセコムやALSOK、セントラル警備保障などの警備会社によって提供されています。
通報型サービスの大きなメリットは、24時間365日の対応が可能であり、緊急時に迅速な駆けつけや救急手配が期待できることです。
通報型見守りサービスのひとつに、ホームアルソックみまもりサポートが挙げれます。
https://www.alsok.co.jp/person/mimamori/
近年では、一定時間動きがない場合に自動的に通報する機能を持つシステムも登場しています。
また、健康相談サービスや火災・防犯センサーと連携したプランも提供されています。
通報型見守りサービスのデメリットは、高齢者自身がボタンを押す必要があるため、意識を失っている場合などには対応できない可能性がある点です。また、他の見守りサービスと比較して費用が高額になる傾向があります。日々の安否確認というよりも、緊急時の備えとしての利用が主となります。
センサー型見守りサービス

写真はLASHIC社の「LASHIC-room」
センサー型見守りサービスは、高齢者の自宅に設置された各種センサーを通じて、生活状況や安否を確認するものです。
人感センサー、開閉センサー、ベッドセンサー、家電製品に内蔵されたセンサーなど、様々な種類のセンサーが活用され、動きがない状態が続いた場合や、特定の行動パターンが途絶えた場合に、家族やサービス提供者に通知が送られます。
センサー型サービスの大きなメリットは、プライバシーに配慮した見守りができる点です。カメラのように映像が記録されるわけではないため、高齢者は監視されているというストレスを感じにくくなりす。
また、光熱費の利用状況から安否を確認するサービスや、電球の点灯・消灯で異常を検知するクロネコ見守りサービス、冷蔵庫の開閉を検知するまもりこ、電気ポットの使用状況をモニタリングする象印みまもりほっとラインなど、日常生活に溶け込むような多様な製品が登場しています。多くのセンサー型サービスは比較的安価で、設置も容易です。
一方で、緊急時に状況を把握するまでに時間がかかる場合があるというデメリットも存在します。
センサーの設置場所によっては、検知範囲に限界があることも考慮する必要があります。
センサー型見守りサービスのひとつに、「LASHIC」があります。
カメラ型見守りサービス

カメラ型見守りサービスは、高齢者の自宅にカメラを設置し、離れた場所からスマートフォンやパソコンを通じて映像を確認できるサービスです。リアルタイムでの映像確認だけでなく、録画機能や双方向通話機能を持つ製品も多く、高齢者と離れていてもコミュニケーションを取ることが可能です。
カメラ型のメリットは、リアルタイムで高齢者の様子を視覚的に確認できるため、緊急事態に迅速に対応できる可能性が高いことです 。また、防犯対策としても活用できる場合があります。みまもりCUBE のように、Wi-Fi環境がなくても利用できる製品も存在します。
みまもりCUBE
しかし、常時カメラで監視されることに対して、高齢者が心理的な抵抗を感じる可能性があり、プライバシーへの配慮が不可欠です
まとめ
高齢者の見守りサービスについて紹介しました。
上記以外にも、様々な形態の見守りサービスが存在します。
食事の宅配時に安否確認を行う宅配型見守りサービス 、定期的な電話やメールによる安否確認を行う会話型見守りサービス 、GPS機能を利用して高齢者の位置情報を把握するGPS型見守りサービスなどがあります。
近年では、スマートフォンアプリを活用した見守りサービスも普及しており、手軽に導入できる点が魅力です。
また、電気や水道などのライフラインの利用状況をモニタリングすることで、間接的に安否を確認するライフライン連携型見守りサービスも注目されています。
ご自身の環境に適した方法で、大切なご家族の様子を見守ってあげてください。