認知症予防に効果的な3つのポイント

認知症の女性のイラスト

認知症と生活習慣の深い関係

認知症を完璧に予防する方法は、残念ながらまだ判明していません。

しかし、最近の研究から、認知症は生活習慣病と深い関係にあり、生活習慣を改善することで認知症の発症を抑制する効果があることが分かってきています。

参考:生活習慣病とは? | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

このことから、生活習慣の改善は、生活習慣病の予防のみならず認知症の予防にも効果的です。

この記事では、認知症予防に効果的な3つのポイントをご紹介します。

ポイント1 食生活を見直す

規則正しい時間に1日3食、バランスの良いメニューと適切なエネルギー量を心がけましょう。

特に糖質・塩分・脂質は摂りすぎないよう注意が必要です。

以下のポイントを意識しながら、和食を中心とした献立を考えるといいでしょう。

野菜、果物、豆類を積極的に食べる

野菜に含まれているビタミンB群、C、E、βカロチンを摂取することで、動脈硬化やアルツハイマーの原因を抑えることができます。

それぞれの野菜の主な効果

  • 緑黄色野菜: β-カロテンが豊富で、視力維持や抗酸化作用が期待できます。(例:ほうれん草、小松菜、人参)
  • 葉物野菜: ビタミンCや食物繊維が豊富で、免疫力向上や便秘予防に効果的です。(例:レタス、キャベツ、春菊)
  • 根菜類: ビタミンB群やミネラルが豊富で、エネルギー代謝や神経機能の維持に役立ちます。(例:大根、ごぼう、人参)

おすすめの食材例
ビタミンB群…豚肉、豆類、レバー、うなぎ、卵、乳製品、葉菜類、魚介類、穀物の胚芽など
ビタミンC…みかん、いちご、ブロッコリー、ほうれん草、ピーマン、芋類など
ビタミンE…ナッツ類、胚芽油、うなぎなど
βカロチン…にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃ、かんきつ類、スイカなど

また納豆や豆腐、味噌、きな粉といった大豆製品には、たんぱく質をはじめ、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、私たちの体に必要な栄養素がバランス良く含まれています。

血中コレステロールや中性脂肪を低下させる働きもあるので、適量な大豆製品を食卓に取り入れることで、認知症対策になります。

魚を積極的に食べる

まぐろ、サバ、イワシ、鮭などに多く含まれているDHAは、脳の働きに深く関わっており、様々な効果が期待されています。

DHAの主な効果

  1. 脳機能の改善: DHAは脳の主要な構成成分であり、脳細胞の働きを活発にし、記憶力や学習能力の向上に繋がると考えられています。
  2. 認知機能の低下予防: 加齢に伴う認知機能の低下を予防し、アルツハイマー病などのリスクを減らす可能性が示されています。
  3. 眼の健康維持: DHAは網膜の主要な構成成分でもあり、視力維持やドライアイの改善に役立つと言われています。
  4. 心血管系の健康: 血圧を下げ、血栓ができにくくする効果があるため、動脈硬化や心疾患のリスクを低減する可能性があります。
  5. 炎症抑制: 体内の炎症を抑える働きがあり、アレルギーや関節炎などの症状を改善する可能性が期待されています。

魚を食べる習慣を心掛けることで、手軽にDHAを摂取することができます。

食品から十分な量を摂取できない場合は、DHAサプリメントを検討することをおすすめします。

緑茶などのポリフェノールを摂取する

ポリフェノールは、植物が持つ成分で、人間の健康に様々な良い影響をもたらすことが知られています。

ポリフェノールの主な効果

  1. 抗酸化作用: 活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病のリスクを低減します。
  2. 動脈硬化予防: 悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防する効果が期待されます。
  3. 心疾患リスクの低減: 血圧を下げ、血栓ができにくくする効果があるため、心疾患のリスクを低減する可能性があります。
  4. がん予防: 一部の種類には、がん細胞の増殖を抑える効果があることが報告されています。
  5. 脳の健康維持: 認知機能の低下を予防し、アルツハイマー病などのリスクを減らす可能性があります。
  6. 免疫力の向上: 免疫細胞の働きを活性化し、感染症に対する抵抗力を高める効果が期待されます。

ポリフェノールを含む身近な食べ物は、緑茶、大豆、ぶどう、玉ねぎなどがあります。

毎日継続して摂取することでより効果が期待できるので、食生活においてポリフェノールを意識するのはおすすめです。

ポイント2 適度な運動

運動は、生活習慣病のリスクを下げる上で、食事や睡眠と並んで非常に重要な要素の一つとされています。

運動が生活習慣病予防に効果的な理由

  • 血糖値の改善: 運動は、筋肉が糖をエネルギー源として消費するため、血糖値を下げる効果があります。これは、糖尿病の予防や改善に繋がります。
  • 脂質代謝の改善: 運動は、中性脂肪を燃焼させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす効果があります。これにより、動脈硬化や心疾患のリスクを下げることができます。
  • 血圧の低下: 運動は、血管を拡張させ、血圧を下げる効果があります。高血圧は、脳卒中や心疾患のリスクを高めるため、血圧の低下は非常に重要です。
  • 肥満の予防: 運動は、カロリーを消費し、脂肪を燃焼させるため、肥満の予防に効果があります。肥満は、多くの生活習慣病のリスクを高める要因となります。
  • ストレスの軽減: 運動は、ストレスを軽減し、精神的な健康を保つ効果があります。ストレスは、生活習慣病の発症リスクを高めるため、ストレスの軽減は重要です。

生活習慣病予防に効果的な運動

  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギングなどがおすすめです。
  • 筋力トレーニング: 体重を支える運動がおすすめです。
  • 柔軟体操: 体を柔軟にし、ケガ予防にも繋がります。

運動は激しいものである必要はありません。

それよりも、毎日継続して行うことが大切です。

週2~3回程度、1回あたり30分を目安に行いましょう。

中でもウォーキングは、身体への負担が少なく継続しやすい有酸素運動としておすすめです。

ポイント3.  社会活動に参加し、人との交流を増やす

カリタスみわでは、様々なイベントを行っています

高齢になると、家から出るのが億劫になる方が多くなります。

しかし、外に出て社会活動に参加することは、身なりを整える、持ち物を準備する、集合時間に間に合うように逆算して家を出るといった段取りを考えるなど、脳にさまざまな刺激を与えます。

社会活動が認知症予防に効果的な理由

  • 脳の活性化: 様々な人と交流したり、新しいことを学ぶことで、脳が刺激され、認知機能が維持されます。
  • ストレス軽減: 社会活動を通して人との繋がりを持つことで、孤独感を解消し、ストレスを軽減できます。ストレスは認知症のリスクを高める要因の一つとされています。
  • 生活習慣の改善: 社会活動を通して、規則正しい生活を送ったり、運動の機会が増えたりすることで、生活習慣病の予防にも繋がります。生活習慣病は、認知症のリスクを高める要因の一つです。
  • 目的意識の維持: 社会活動を通して、自分の人生に目的意識を持つことができ、生きがいを感じることができます。

社会活動の例

  • ボランティア活動: 地域の清掃活動や、子供たちへの読み聞かせなど、人の役に立つ活動は、自己肯定感を高め、生きがいを感じることができます。
  • 趣味の集まり: 歌やダンス、手芸など、自分が好きなことを仲間と共有することで、楽しみながら脳を活性化できます。
  • 地域活動: 町内会や自治会など、地域活動に参加することで、地域社会とのつながりを深め、孤独感を解消できます。
  • 学習活動: 語学の勉強や、新しいスキルを学ぶことは、脳の活性化に繋がります。

趣味を持ち、人と関わり、社会の中で役割を持つことは、認知症の予防につながる大切な取り組みです。

社会活動への参加は、認知症予防だけでなく、QOL(生活の質)の向上にも繋がります。

様々な活動を試して、自分に合った活動を見つけてみましょう。

まとめ

以上、認知症予防に効果的な3つのポイントでした。

大切なのは、これらのことを継続して行うことです。

ストレスにならない範囲で、できるものから徐々に取り入れ、健全な生活習慣と認知症の予防を実現しましょう。

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