がんについて知る - がんの種類と予防のための4つの生活習慣のコツ、がん検診について解説

がんは、あらゆる病気のなかで最も死亡率の高い病気であり、日本人の死因の第1位を占めています。
がんは一部の遺伝性によるものではなく、元々は生活習慣病といわれており、身近にある発がん性物質(タバコ、排気ガス、アスベストなど)だけではなく、食生活や運動不足でも起こりうる病気です。
年齢を重ねると、細胞のダメージが蓄積して がんにかかるリスクが高まります。実際、日本では新しくがんと診断される人は60歳付近から急激に上がっています。

参考:国立がん研究センター 年齢階級別罹患数(全国推計値)2015年データ
しかし、生活習慣や環境を少し工夫することで、誰でもがん予防に取り組むことができます。がんは決して「歳だから仕方ない」とあきらめるものではありません。日頃からできる予防策と早期発見のポイントを知り、元気に長生きするための第一歩を踏み出しましょう。
高齢者が特に気をつけたいがんの種類

高齢になると発症しやすい代表的ながんとして、①胃がん、②大腸がん、③肺がん、④前立腺がん、⑤膵臓がんが挙げられます。さらに男性では 前立腺がん のリスクも年齢とともに高まります。以下に、それぞれのがんの特徴と注意点を簡単にまとめます。
①胃がん
胃がんは日本人に多く見られるがんで、高齢世代にも患者が多い傾向があります。塩分の高い食事やピロリ菌感染などがリスク要因です。胃がんは早期には自覚症状が出にくいですが、内視鏡検査(胃カメラ)などの定期検診で早期発見が可能です。日頃から 塩辛い食品を控え、野菜や果物をしっかり摂ることで胃がんのリスクを下げられる と報告されています。
参考:胃癌 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%83%E7%99%8C
②大腸がん
大腸(結腸や直腸)にできるがんで、高齢者では男女ともに死亡数の上位を占め、特に女性では大腸がんががん死亡原因の第1位となっています。肉中心・食物繊維不足の食事や運動不足がリスクを高めるとされます。大腸がんも初期は症状がほとんどないため、便潜血検査などの大腸がん検診を毎年受けて早期発見に努めましょう。
参考:大腸癌 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%85%B8%E7%99%8C
③肺がん
肺がんは肺の組織にできるがんで、高齢男性の死亡原因トップになっています(女性でも上位です)。最大の原因は喫煙で、長年タバコを吸ってきた方は注意が必要です。咳や息切れなど症状が出にくい場合もありますが、禁煙することで肺がんを含む多くのがんのリスクを下げることができます。また、胸部X線検査(レントゲン)などの肺がん検診を毎年受けて、異変の早期発見を心がけましょう。
参考①:がんの死亡(がんの死亡について詳しく見る)1)どの部位のがん死亡が多いか 2023年 がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター
参考②:肺癌 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%83%E7%99%8C
④前立腺がん
前立腺がんは男性にのみ存在するがんで、特に高齢男性で急増するがんです。実は日本では前立腺がんが男性で最も多く診断されているがんであり、加齢とともに発症率が高まります。進行が遅いタイプも多いですが、放置はできません。血液検査(PSA検査)で早期発見が可能なので、気になる方は医師に相談して定期的に検査を受けると安心です。
参考①:がん情報サービス がんの罹患(新たにがんと診断されること)1)どの部位のがん罹患が多いか 2021年
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
参考②:前立腺癌 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%AB%8B%E8%85%BA%E7%99%8C?wprov=sfti1
⑤膵臓がん
膵臓がんは、消化液を作る膵臓に発生するがんで、多くは消化液の通り道である「膵管」から発生し、早期発見が難しく進行すると腹痛、体重減少、黄疸などの症状が出ますが、診断時には進行しているケースが多い難治性がんです。喫煙や糖尿病、慢性膵炎との関連が指摘されており、早期発見が困難で転移しやすいため、死亡原因の上位を占めています。
参考:膵癌 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%B5%E7%99%8C
このほか、女性の場合は更年期以降に乳がんのリスクがあります。
予防のための生活習慣のポイント
毎日の暮らしの中で実践できる がん予防のための生活習慣 のポイントを紹介します。どれも今日から無理なく始められることばかりです。
参考:がん予防リーフレット - 厚生労働省
バランスの良い食生活

偏りのない食事を心がけましょう。塩分のとりすぎは胃がんの原因になると明らかになっていますので減塩が大切です。また野菜や果物を積極的に摂り、熱すぎる飲み物・食べ物は冷ましてから口にするようにすると、胃や食道への負担が減りリスク低減につながります。いろいろな食品をバランスよく食べて適正体重を維持することも、がん予防だけでなく生活習慣病全般の予防に役立ちます。
適度な運動習慣

毎日少しずつでも体を動かす習慣をつけましょう。体をよく動かす人ほど、がん全体の発生リスクが低いという報告があります。運動することで心臓病など他の病気のリスクも下がり、筋力維持や肥満予防にもつながります。ウォーキングや体操など、自分に無理のない範囲で構いませんので、日常生活の中でこまめに体を動かすことを意識しましょう。
禁煙(タバコをやめる)

喫煙は肺がんはもちろん、多くの種類のがんの大きな原因です。タバコを吸う人は吸わない人に比べて、何らかのがんになる危険性が約1.5倍高まることがわかっています。喫煙歴が長い方も、禁煙することでリスクを下げる効果があります。今からでも遅くありませんので、ぜひ禁煙に挑戦してみましょう(医療機関の禁煙外来でサポートを受けることもできます)。受動喫煙(他人のタバコの煙)も有害ですので、周囲の方も含めタバコの煙を遠ざける工夫をしましょう。
節酒する

適度な飲酒なら楽しみの一つですが、飲みすぎは控えましょう。大量の飲酒習慣がある人は、そうでない人に比べて大腸がんなどのリスクが約2倍近く高まるとのデータもあります。日本人の場合、がん予防の観点では「全くお酒を飲まないことが最も望ましい」という研究結果も報告されています。難しい場合も、せめて「休肝日」を作ったり飲む量を減らしたりして、肝臓への負担やがんリスクを減らしましょう。
定期検診のすすめ
定期的ながん検診は早期発見の大きな鍵です。自覚症状のない初期のうちに見つけて治療すれば、体への負担も少なく完治できる可能性が高まります。自治体や職場の健康診断などで積極的に検診を受けましょう。
日本では、国が推奨するがん検診の制度があります。例えば、胃がん検診は50歳以上の方を対象に2年に1回、バリウム検査(胃部X線)または内視鏡検査を受けることが推奨されています。
大腸がん検診は40歳以上で毎年1回、便の潜血反応を見る検査が勧められています。また、肺がん検診は40歳以上で年1回の胸部エックス線検査(喫煙者には痰の細胞診も)を受けることになっています。女性の方は乳がん検診(マンモグラフィー)を40歳以上になったら2年に1回受けるようにしましょう。これらの検診は公的な補助で安価に受けられる場合も多いので、ぜひ地域の案内に従って定期的に受診してください。
参考:がん検診サービス - がん情報サービス 国立研究開発法人国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr01.html
検診で異常が見つからなければ安心できますし、万一早期のがんが見つかっても「がんはもはや死の病ではなく、6割は治る時代」です。特に早期発見できれば体への負担少なく完治させることも難しくありません。怖がらずに、「もしもの安心」のために検診を上手に活用しましょう。
終わりに
がん予防というと難しく聞こえるかもしれませんが、小さな生活習慣の改善が将来の大きな健康につながります。今日からでも、できる範囲でチャレンジしてみましょう。
年を取ってからの挑戦は決して遅すぎることはありません。体に気を配りつつ趣味や人付き合いも楽しんで、生き生きとした毎日を送りましょう。日々の前向きな心がけがご自身の健康を守り、充実したシニアライフにつながります。できることから始めて、笑顔で健やかな毎日を積み重ねていきましょう。
免責事項
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスや診断を代替するものではありません。健康に関して不明な点がある場合は、必ず医師や専門家の診断を受けてください。この記事の内容は、ご自身の判断と責任においてご活用ください。本情報の利用により生じた損害やトラブルについて、当方は一切の責任を負いかねます。
参考文献
科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html
がんの部位別統計 - 公益財団法人日本対がん協会
がん予防|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490_00004.html
がん検診について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr01.html